Greetings from the Professor

教授からのご挨拶

Greetings from the Professor

教授からのご挨拶

教授からのご挨拶 教授からのご挨拶

この度、令和6年7月1日付けで、徳島大学大学院医歯薬学研究部 血液・内分泌代謝内科学教室の第6代教授を拝命しました松岡と申します。四国で最も伝統のある内科学教室を引き継ぎ、責任の重さに日々身の引き締まる思いです。

この場をお借りしまして、少しだけ自己紹介を致します。私は岡山に生まれ、地元の高校、大学を卒業しました。大学時代は、バスケットボール部に6年間所属して体育館を走り回るとともに、長期休暇にはバックパックを担いで世界中を旅しました。そうした中で、現場に行ってこそ気づくことを大事にしたい、という思いから、様々な医療のフィールドに実際に行ってみるサークルをつくり、学内外の多くの仲間と一緒に活動する経験を得ました。勉強はあまり出来がよい学生ではありませんでしたが、こうした学生時代の様々な体験は、今に至る自身の糧となっています。

祖母を長く自宅で介護した家庭で育ったこともあり、もともとは家庭医、総合内科医を志望し、学生時代を過ごしました。そんな中、血液内科の臨床実習の際に、患者さん、ご家族、そして医師が、治療を成功させようとみんなが一生懸命になって戦っている姿に大きく心を動かされ、血液内科を学んでみたいと思うようになりました。

血液内科は全身を診ることになるため、将来的に総合医になるにも勉強になるのでは、という思いもあり、医師3年目から血液内科を専攻しました。この研修で、白血病の根治的治療法である造血幹細胞移植の圧倒的な治癒可能性を実感し、以来、造血幹細胞移植の基礎と臨床に邁進して参りました。その過程で、多くの素晴らしい先輩・同輩・後輩の先生方、志を同じくして一緒に仕事をしてくれたスタッフの皆さん、そして何より、不安なぎりぎりの気持ちの中にも関わらず、生きる希望・勇気・覚悟・ユーモア・思いやりを私に見せてくださった多くの患者さんとご家族、こうしたたくさんの方々との出会いのもとで、私は人生で大切な多くのことを学んで参りました。これまで出会った皆さまに心から感謝しています。

このように、人と人との出会いや縁によって、その後の人生に大きな影響が及ぶことは多々あると思います。今、医学を学んでいる学生や研修医の皆さん、また内科専攻を開始した教室員の先生方には、自らが今後どのような生き方、医師としてのあり方を目指していくかを考えていく上で、そのきっかけとなるような様々な経験や出会いを提供していきたいと考えています。

何がなんやら皆咲いている。私たちはそれぞれに個性がある存在です。そしてその多様な個性は、この医療の仕事の中で必ず活きる場所があります。医療の高度化、専門分化が進む現代でありますが、その源になる心の暖かさは生来的に私たちの心に宿っています。私たちは、子供が転んで膝を擦りむいて泣いていると、思わず駆け寄って身をかがめて寄り添い、優しく声をかけて不安を取り除きながら、膝の状態を見て必要な処置を施します。これは誰に教えられたものでもなく、私たちが自ずから持っている人としての自然な暖かさであると思います。そうした、もともと持っている自らの内なる気持ち、人を助けたいという生来的な本能を、その方その方の方法で医療者として表現することができるよう、様々な経験や出会いの提供を通じて、援助していける教室でありたいと考えています。医師としての経験を重ねることは、時として心身に負担が大きいこともあります。だからこそ、患者さんを助けたい、新しい治療法をみつけたい、という生来的な活気に溢れ、明るく、みんなで前向きに頑張る、仲間づくり、環境づくりをしていきたいと思います。

こうした観点から、教室では、臨床・研究・教育の3つの柱にバランスよく取り組んでいきたいと思います。まず、教育では、全人的な診療姿勢を持つ血液内科医、内分泌代謝内科医、さらに総合内科医の育成を目指します。価値観の多様化とともに、新規医療技術の開発が進む現代において、自らの人間性を信じ、科学的理解のもとに最適な診療をそれぞれの患者に提供できる教室でありたいと願っています。臨床においては、進境著しい血液学および内分泌代謝学を楽しみながら学び、患者さんに還元する先進的な診療体制を整備します。そして研究では、臨床の一例、実験データの一つ、を大事にする科学的探究心を醸成し、新しい医療に繋がる成果の創出を目指します。

内陸の町に育った私にとって、大きな海は憧れでした。太平洋を望む房総半島の病院で医師としての礎を得た研修医時代、大西洋に開けた米国ボストンで研究に明け暮れた留学時代に続き、徳島は私にとって3つ目の“海が見える街”です。大河が大洋に注ぐ美しい街、この徳島の地にて、教室の更なる発展に向け、進取の気性を持って、臨床・研究・教育、それぞれの分野で精一杯努力して参ります。

多くの先生方のご指導ご鞭撻を何卒宜しくお願い申し上げます。

そして、研修医や学生の皆さん、ぜひ一緒に、血液学・内分泌代謝学を学び、全人的な内科診療の新しい未来を切り開いていきましょう。

令和6年9月
徳島大学大学院医歯薬学研究部
血液・内分泌代謝内科学教室
主任教授 松岡 賢市

お問い合わせ / CONTACT

一般の方のお問い合わせ先

時間内の緊急受診について

(血液内科、内分泌代謝内科共通)

徳島大学病院
内科外来

088-633-7118

受付時間 8:30 〜 17:15

(相談受付は17:00まで)(休診日除く)

時間外の緊急受診について

大学病院
時間外受付

088-633-9211